あの大ベストセラー自己啓発本!
「嫌われる勇気」の続編
「幸せになる勇気」
前回の「嫌われる勇気」は読まれましたか?
「幸せになる勇気」は「嫌われる勇気」でモヤモヤした部分をさらに解説してくれています。
読んでいない方はこちらのまとめからご覧下さい↓
https://zuuuka-smile.com/kirawareruyuuki-review/
本書も「嫌われる勇気」で出てきた哲人と青年との会話形式となっております。
「嫌われる勇気」では、青年が哲人と対話をする中で、アドラーの心理学に引き込まれ、これから実践していきますという形で終わっています。
「幸せになる勇気」では、その青年がアドラーの考えに基づき、他社貢献のために教員になり、
「アドラーの考えをもっと多くの若者に伝えたい」
と意気込んでいた青年が、全然うまくいかず、「嫌われる勇気」の対話から3年後に再度鉄人の部屋に訪れて対話をするという流れで書かれています。
実際にアドラーの教えのもとに動いたが現実社会ではうまくいかず、
現在ではアドラーの教えではしてはいけないと言われる「叱る」や「褒める」ということをした方がいいと思っている青年と、前回よりもさらに深い部分でアドラーの教えを伝える哲人との対話、今回も色々と考えさせられる本でした。
こんな人にオススメ!
- 「嫌われる勇気」を読んで、なんかモヤッとした人
- 小さい子供を持っている方や教育をする立場の方
- 「愛」についての考え方を深めたい方
嫌われる勇気で私も納得しきれなかった「褒める」や「承認欲求」について、なぜダメなのかがさらに詳しく書かれていますので読むと解決するかもしれません。
また、本書は教育を通しての考え方が中心に書かれているため、小さい子供を持っている方や教育をする立場の方には非常に参考になる内容が記されていると思います。
それだけでなく、本書の最終的なテーマは「愛」という部分になっているため、「愛」についての考え方を知りたい方にもオススメになります。
この本は
「自己啓発書」というよりも
「哲学書」に近い本になっています。
内容
この本のメインテーマは大きく2つ
「尊敬」と「愛」
です。
「尊敬」
尊敬とは何か、なぜ尊敬するか
尊敬とは何か?
本書では尊敬とは
「ありのままのその人を認めこと」
と書かれています。
そして、なぜ尊敬をするのかというと、
「ありのままのその人」を認めることで、
その人は「自立」に向かうと書かれています。
「叱る」と「褒める」
「叱る」や「褒める」といった行為は、
尊敬と反対で、自立を阻害してしまいます。
まず「叱る」という行為は「尊敬」を毀損する行為にあたります。
なんと「褒める」という行為も自立を阻害するのです。
なぜなら「褒める」ことはその共同体の中に競争原理を生むから。
特に子供のうちは、その競争原理の中で生きることで
「他社は敵」というライフスタイルを植え付けることになります。
「嫌われる勇気」では、「褒める」ことでその子は「褒められるために頑張る」ということが書かれていたと思いますが、
共同体の中ではさらに、誰かを褒めることで「わたしも褒められたい」という気持ちにさせてしまうのです。
5段階の問題行動
自分を認めてもらえない子供は問題行動が起こる可能性が高くなります。
その問題行動は5段階にエスカレートしていくのです。
1:称賛の要求
共同体の中で特権的な地位を得ることで、
「褒めてくれる人がいなければ適切な行動をしない」
というライフスタイルを身につけていく。
2:注目喚起
これも特権的な地位を得ることが目的になります。
「存在を無視されるくらいなら叱られた方がいい」という考えです。
3:権力争い
反抗や不従順により、自分の力を証明することです。
よく学校に数人いる、不良グループはこれに当たると思います。
学校の先生はここで「叱る」という行為で押さえようとしますが、ここで叱ることは相手と同じコートに立つことになります。これでは問題は収束しないことが多く、時にはさらに過激になっていくようなこともあると言われています。
4:復讐
「わたしを尊重してほしい」という思いが叶わないと思った瞬間、
今度は「憎しみ」を求めるようになり、「憎悪」という感情の中で注目されにいくのです。
ストーカーがその典型例で、相手に嫌われるのをわかっていても、「憎悪」という感情の中で生き続けようとします。他にも自傷行為や引きこもりなども、これに当たるそうです。
5:無能の証明
そして最終的な段階としては、自分がいかに無能であるかをありとあらゆる手を使って証明しようとするという段階になるそうです。
最後の「無能の照明」まで来てしまうと精神的に病を患っていることも多いそうです。
1・2段階までは「尊敬」によってそのままで十分価値があるということを伝えていくことで改善する可能性が高いと言われています。
そして4・5段階になってしまうと出来ることはほとんどないとのことです。
なので、早めから相手を尊敬し、認めてあげることで価値を示してあげるというのが重要になってくるということですね!
「愛」
その前に、本書では人生のタスクについて書かれており、愛はその最終段階として出てくるため、順番に説明したいと思います。
人生の3つのタスク
まず人生には3つのタスクがあります。
①仕事のタスク
「嫌われる勇気」でも出てきた「信用」に当たる部分になります。
簡単に説明すると、「信用」とは条件付きで相手を信じることを言います。
仕事は好き嫌い関係なく行う必要があります。また、仕事というのは分業により自分の専門の生産性を高めることで相手に貢献することが出来ます。
「わたしの幸せ」を一番に考える利己的な考えです。
②交友のタスク
「信頼」に当たる部分です。これも簡単に説明すると、無条件に相手を信じることを言います。
「相手が信じようと信じまいと私はあなたを信じる」という精神です。
利己的な「わたしの幸せ」を考えるのとは異なり、「あなたの幸せ」を一番に考える利他的な考えと言えます。
③愛のタスク
これは「わたしの幸せ」でもなく「あなたの幸せ」でもありません。
「わたしたちの幸せ」を築き上げることになります。
本当の愛を知った時、「わたし」だった人生の主語は、「わたしたち」に変わります。
そして、愛を知ったときに本当の自立を達成すると言われています。むしろ、本当の自立は愛がないと為し得ないとまで書かれています。
そして、2人から始まった「わたしたち」は
最終的に共同体全体に。
そして人類にまでその範囲を広げるのです。
という内容です。
ここまで来ると、壮大すぎてよくわからなくなってきます。笑
ちなみに最初は、前回のアドラーの教えを行い結果を得られずに文句を言いにきた形で対話をした青年ですが、無事納得して再度燃えて帰っていきました!
感想&まとめ
まず、このような対話形式で、時折青年が哲人に対して罵声を浴びせる場面があるのですが、その言葉のチョイスに思わず本気で拭いてしまうことが数回ありました。
内容的には堅めですが、そんな青年がいるからこそここまで読みやすく、入ってきやすいのだと思います。
まるで漫画を読んでいるような感覚になるのは著者のすごいところだと思います。
内容的にも人間関係の構築や教育をする上で非常に興味深く、考えさせられる内容になっています。
「嫌われる勇気」でイマイチ納得出来なかった部分も、
「幸になる勇気」で納得いった部分もあるのではないでしょうか!?
ただ、最終的に『2人から始まった「わたしたち」はやがて共同体全体に、そして人類にまでその範囲を広げる』という部分はきっと多くの人が理解しにくい考えであったこともあり、万人からは受け入れられないのかもしれません。
「嫌われる勇気」の方が圧倒的に売れている理由もこのへんも関係あるかもしれませんね!
- 「尊敬」と「愛」で共同体感覚を得る!
- 「叱る」も「褒める」も自立を阻害する行為になる
誰に対しても尊敬から始まる - 「利己」から「利他」そして「わたしたち」へ!
最後まで見ていただき、
本当にありがとうございます。
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